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「ミルハウザーの世界」を堪能できる短篇集
「猫と鼠」ほか、匠の技巧で眩惑する最新作!

「オープニング漫画」「消滅芸」「ありえない建築」「異端の歴史」と章立て。「ミルハウザーの世界」を堪能できる傑作短篇集。

匠の技巧が発揮された傑作短篇集

「猫と鼠」猫が鼠を台所で追いかけている。鼠はフロアランプを避けるべく二つに分裂し、猫は壁に激突、アコーディオンのように体がひだひだに折りたたまれ、そこから音楽が流れでる。猫は鼠との追いかけっこ、知恵比べで絶対に勝てないと分かっていながら、鼠を捕まえたい欲求がつのるばかり……鼠が赤いハンカチで猫の体を拭きとり、鼠も自らを拭きとりはじめ……。
アニメ『トムとジェリー』の楽しいドタバタを想起させるが、こうしてミルハウザーの手にかかると、息もつかせぬ速い展開と、細部にわたる滑稽かつ残酷な描写に翻弄されてしまう。とうていありえない状況にもかかわらず、「ミルハウザーの世界」に一気に読者を引き込む描写は、さらに凄みを増している。
ほかにも、周囲から無視しつづけられた少女の体が文字通り消える「屋根裏部屋」、バベルの塔をめぐるパロディ「塔」、森の向こうにある町への憧憬「もうひとつの町」、エジソンの助手による偽の日記「ウェストオレンジの魔術師」など。「オープニング漫画」、「消滅芸」、「ありえない建築」、「異端の歴史」の4部構成で、13篇を収録。

[著者略歴]
スティーヴン・ミルハウザー  STEVEN MILLHAUSER
1943年、ニューヨーク生まれ。アメリカの作家。
1972年『エドウィン・マルハウス』でデビュー。『マーティン・ドレスラーの夢』で1996年ピュリツァー賞を受賞。邦訳に『イン・ザ・ペニー・アーケード』『バーナム博物館』『三つの小さな王国』『ナイフ投げ師』(1998年、表題作でO・ヘンリー賞を受賞)、『ある夢想者の肖像』、『魔法の夜』がある。(以上、白水社刊)ほかにFrom the Realm of Morpheus 、We Others: New and Selected Stories(2012年、優れた短篇集に与えられる「ストーリー・プライズ」を受賞賞)、Voices in the Night がある。

[訳者略歴]
柴田 元幸(しばた もとゆき)
1954年生まれ。米文学者・東京大学特任教授・翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソン、レベッカ・ブラウン、バリー・ユアグロー、トマス・ピンチョン、マーク・トウェイン、ジャック・ロンドンなど翻訳多数。『生半可な学者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。

十三の物語 / スティーヴン・ミルハウザー 訳 柴田元幸 画 磯良一 装丁 奥定泰之 白水社
Dangerous Laughter:Thirteen Storise/Steven Millhauser



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by goat-hill | 2018-06-20 20:48 |


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1900年代末、アメリカ各地で死者が蘇るという奇怪な現象が続発する。ニューイングランドの田舎町・トゥームズヴィル。バーリイコーン一族はここで州内随一のスマイル霊園を経営していた。最近屋敷に滞在するようになった一族のパンク青年・グリン。グリンは一族のお茶会の日、誤って毒を口にして自室でひっそりと死んでしまうが、御多分に洩れず蘇る。グリンは自分が遺産相続をめぐる計画殺人の煽りを食ったのではないかと考え、死者であることを周囲に隠しつつ、自分の死の真相を突き止めることを決意する。しかし事態はさらに進展する。当主スマイリーの通夜の夜、跡を取った長男のジョンが葬儀堂の遺体安置室内において刺殺体で発見されたのだ。さらにスマイル霊園には、夜な夜な行動する謎の殺戮者の存在が。生と死の境界があいまいになった世界で、グリンは一連の事件の真相を突き止めることが出来るのか。リミットは自分の肉体が腐りきってしまうまで。
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山口雅也氏の伝説の『生ける屍の死』上下巻 全面改稿版が完成しました。山口さんの作品のパッケージの部分を担当させていただきました。デザインはWelle designの坂野公一さん。いつも荒削りな素材(イラスト)を洗練された料理にかえて世に出していただいてます。

『生ける屍の死』山口雅也著 装丁 坂野公一 装画 磯良一 光文社 2018



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by goat-hill | 2018-06-07 19:48 |