うばわれた自由
夜明け前に狩りをしてはいけないと決められた森の番人役がガリューの仕事。
ある日の夜明け前、密猟者の銃声を聞いて飛び起きたガリュー。
決まりについて注意したガリューに、3人の一人が「決まりは知っている。遊びだ。私は、この国の王子だ。捕らえられるものなら、捕らえてみろ。やりたいことができなければ、つまらないではないか。お前も自由に暮らしたいだろう。」という王子。
ガリューは、「王子様の自由とは、わがまま勝手というものです。自分さえよければ何をしてもよいというのでは、周りの者は迷惑です。そんなものは、本当の自由ではありません。」と必死になって訴えた。
しかし、王子は聞かず、ガリューをとらえ、牢屋に入れた。
それから、何年かたち、王子は王となった。しかし、王のわがままはいっそうひどくなり、いつの間にか国中の人も勝手にふるまうようになり、世の中は乱れてしまった。そして、裏切りにあった王は、王位を奪われ、とらわれの身となる。
牢屋で、王に会ったガリューは、「あなたさまもとうとう自由を奪われてしまいました。」と言う。
しばらくして、牢屋から出されることになったガリューは、「あなた様がそこから出られる日がきたら、一緒に本当の自由を大切にして、生きてまいりましょう。」と言って、去っていった。
[うばわれた自由] 小学五年生 道徳 挿絵 磯良一 光村図書出版
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by goat-hill
| 2016-05-27 22:18
| 教科書