坂川栄治

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装丁家であり文筆家、写真家でもあり空間プロデューサーと多岐に亘って、その才能をいかんなく発揮しているアートデレクターの坂川栄治氏。
私が学生の頃、ジャパンゴアテックス発行の『18℃』という大判のライフスタイルマガジンがあり、モノクロームの写真を巧みに使用した洗練されたアートデレクションに感心し奥付けを見るとAD坂川栄治とある。その後『スイッチ』のADは誰?と見るとまたもや坂川栄治氏の名前が・・・。そのような事が書籍等で何度か続き私の頭に坂川さんの名前が刻まれる事になったのです。
その後、私はグラフィックデザイナーからフリーのイラストレーターになりました。当時、朝日新聞社の『小説トリッパー』という文芸誌でエッセーなどの挿絵の仕事を貰っていたのですが、そのADを坂川さんがやっておられた事を私はまったく知らず、編集の方から「坂川さんが磯さんを気に入られて別件の仕事で連絡が行くと思いますので、よろしく!」と突然言われて、とても驚きました。なにせ憧れの人から連絡がくるわけですから!!
そんなこんなで、その後、坂川さんには大変お世話になり仕事もたくさん、ご一緒させていただきました。
さて、前置きが大分長くなってしまいましたが、そんな坂川フリークの私が一番大切にしている本が『15 STORIES』です。この本は非売品で部数も少なくとても貴重なものです。直接、坂川さんからいただきました。
シャープで端整な文章とスミで描かれた切り絵風のシンプルなイラストレーションの組み合わせによる15の物語。余白の空間がとても美しく紙の感触を堪能できる一冊になっています。

『15 STORIES』著者 坂川栄治・装丁 坂川事務所・発行所 株バーソウ・印刷 光村印刷・製本 福島製本印刷
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d0154663_2043862.jpg次にご紹介する本は『Les Traces』。坂川さんの豊穣な視点で切り取ったローライフォーマットの静かな時間。階調豊かなセピア調のモノクロームで印刷されています。700部限定でエデションナンバー付。この本はNo61。
撮影者であるとともに海外の写真家のファインプリントの収集家としても知られています。以前、表参道で経営されていた『バーソウ ギャラリー』は坂川さんが収集したファインプリントも素敵でしたが、それにもましてギャラリーの空間デザインがとてもすばらしくバーソウ閉館後これにまさるギャラリーをいまだ見た事がありません。
日本のギャラリーはレンタルスペースの意味合いが強くオーナーの強い趣味性は歓迎されないようです。
近頃はカメラをプラウベルマキナに持ち替えたそうで作風も変わったかもしれませんね。
『Les Traces]』著者 坂川栄治・装丁 坂川事務所・発行所 株バーソウ・印刷 光村印刷株
写真左 『Les Traces』個展会場 写真右 坂川事務所
d0154663_20541858.jpg[坂川栄治の本]

『遠別少年』リトル・ドッグ・プレス
北海道の北の端で栄治少年が見た豊穣で繊細な世界。

『写真生活』晶文社
視線と記憶。
素直で大胆で、潔くシンプルで。
読む快楽と見る楽しみにみちている。
------江國香織(帯文より)

『「光の家具」証明』TOTO出版
今までの照明をリ=ライト(Re-Light)して
もっと上質な居心地の良さをつくってみませんか?豊かなくつろぎを手に入れるための明かりの使い方と考え方がいっぱい!(帯文より)