d0154663_21393987.jpg「おや、これはまた!」と、皇帝は絶句して叫んだ。「今や我が軍には、存在しない騎士も加わっておるのか?ちょっとばかし見せてみい」
アジルーフォはなお一瞬、ためらっているかのようであったが、やがてきっぱりとした、しかし落ちついた片手の動作で目庇をもちあげた。冑は空洞であった。虹色の羽根飾りを頂いたその真っ白い甲冑のなかには、誰も入ってはいなかったのだ。(本文より)

鎧の中はからっぽ――奇想天外な騎士道物語

勇猛果敢な騎士アジルールフォの甲冑の中は空っぽだった。騎士の資格を疑われて証をたてる旅に出た〈不在の騎士〉の奇想天外な冒険譚。

時は中世、シャルルマーニュ大帝の軍勢に、サラセン軍との戦争で数々の武勲を立てた騎士アジルールフォがいた。戦場にあっては勇猛果敢、謹厳極まる務めぶりで騎士の鑑ともいうべき存在。だが、その白銀に輝く甲冑の中はからっぽだった――。肉体を持たず、強い意志の力によって存在するこの〈不在の騎士〉は、ある日その資格を疑われ、証を立てんと15年前に救った処女を捜す遍歴の旅に出る。彼に恋して後を追う女騎士ブラダマンテ、さらにその後を追う若者ランバルドの冒険とあわせ、奇想天外な騎士道物語が展開する。文学の魔術師カルヴィーノが、人間存在の歴史的進化を寓話世界に託して描いた《我々の祖先》三部作開幕。

イタロ・カルヴィーノの《我々の祖先》三部作、『不在の騎士』 『木のぼり男爵』 『まっぷたつの子爵』の装画を担当することになりました。編集は藤原編集室の藤原義也氏。以前デイヴィッド・イーリイの作品等でご一緒させていただきました。藤原さんとお会いして、いつも感じるのは活字芸術に対する幅広い知識と造詣、そして深い愛情です。
年内、順次刊行されますので、ご期待下さい

[著者略歴]
イタロ・カルヴィーノ(1923-1985)
イタリアの作家。キューバで生まれ、2歳の頃イタリアに移住。第2次世界大戦中のパルチザン体験にもとづく長篇『くもの巣の小道』(47)で注目され、『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』の《我々の祖先》三部作(52-59)では奇想に満ちた寓話的世界を創造。『見えない都市』(72)、『宿命の交わる城』(73)、『冬の夜ひとりの旅人が』(79)など、実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。

白水社Uブックス
『不在の騎士』イタロ・カルヴィーノ ●訳 米川良夫 ●絵 磯良一 ●装幀 田中一光 / 片山真佐志








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by goat-hill | 2017-03-11 18:39 |
d0154663_217946.jpg長生きするだけが能じゃない! 超高齢化社会に活を入れる「老楽」小説。 

思い残さず、生きようじゃないか。ホームで無為な余生をおくる老人たちがある日突然、覚醒した。退屈しのぎに始めたクイズ大会が次第にエスカレート。あの頃の恋愛、戦争、革命を夢見て、性も闘争本能も解放して突っ走る彼らを、もはや誰も止められない。どうなる日本……ユーモア小説の雄、破茶滅茶な展開で加齢なる復活!?

清水義範 著  磯良一 装画  装丁 新潮社装丁室


















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by goat-hill | 2015-03-03 21:23 |
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あのガリヴァーが日本に? 最高に知的な奇想大作!
将軍綱吉の時代に日本を訪れたガリヴァーは波乱の航海に。海賊、宝探し、そして殺人。これぞ文学の冒険。「ガリヴァー旅行記」続編。

『狩場最悪の航海記』の文庫版がでました。

作 山口雅也 装画 挿絵 磯良一 装丁 関口聖司 新潮社
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by goat-hill | 2014-02-07 21:27 |
d0154663_17515221.jpg二十世紀初頭に入り爛熟気を迎えた文化都市ウィーン。音楽と犯罪学に打ち込む素人探偵ダゴベルトは、友人グルムバッハ夫妻との晩餐後、葉巻と珈琲を楽しみつつ、ハブスブルク朝末期の社交界で起きる様々な難事件解決の顛末を披露する。「クイーンの定員」にも選出されたダゴベルト探偵譚から9編を精選。オーストリアのコナン・ドイルと称される著者の本邦初となるオリジナル短編集。

「上等の葉巻」
「大粒のルビー」
「恐ろしい手紙」
「特別な事件」
「ダゴベルト休暇中の仕事」
「ある逮捕」
「公使夫人の首飾り」
「首相邸のレセプション」
「ダゴベルトの不本意な旅」

バルドゥイン・グローラー[Balduin Groller]

本名アダルベルト・ゴルトシュライアー。1848年、ハンガリー領ルーマニアのアラとで生まれる。大学卒業後はジャーナリズムの世界に入り、美術批評、論説、コラム等を寄稿するかたわら、多数の小説を執筆する。エラリー・クイーンの「クーインの定員」にも選ばれた<ダゴベルト探偵譚>は、ドイツの代表的業書であるレクラム文庫から1910年から12年にかけて6冊刊行された。また、中の一篇「奇妙な跡」が、S・S・ヴァン・ダイン・編「探偵小説傑作集」The Great Detective Storiesに採られている。1916年歿。

『探偵ダゴベルトの功績と冒険』バルドゥイン・グロラー 訳 垂野創一郎 装画 磯良一 デザイン 山田英春
創元推理文庫
DETEKTIV DAGOBERTS TATEN UND ABENTEUER
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by goat-hill | 2013-04-05 18:21 |
d0154663_1914693.jpg『絵解き 三国志』
歴史の謎研究会(編)

目次

第1章 乱世到来!各地で未来の英雄が立ち上がる

第2章 火花を散らす曹・孫・劉の激しい戦い

第3章 文字通りの「三国」志は、こうして始まった!

第4章 結局天下を獲ったのは、いったいどの国か?


装画 磯良一 装丁 坂川事務所 青春出版 2004
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by goat-hill | 2011-11-14 19:35 |
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『炎の下克上』Z会 増進会出版社 イラストレーション 磯良一
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by goat-hill | 2011-10-20 19:04 |
d0154663_20102174.jpg『狩場最悪の航海記』 山口雅也 
装画 挿絵 磯良一 
装丁 関口聖司 編集 佐藤洋一郎 文藝春秋 2011

2001年、ロンドンで偶然発見された『ガリヴァー旅行記』の続篇。そこには故意に省かれた旅行記の全容を示す記述が! 将軍・徳川綱吉が天然痘で臥せる日本に到着したガリヴァーは、側用人・狩場蟲齋から不老長寿の秘薬・竜仙粉を探す船旅への同行を請われ、軍艦で出立。ところが乗組員は犯罪者の寄せ集めで使い物にならず、さらには海賊の襲撃をうけ、船は乗っ取られてしまう。果たして秘薬は見つかるのか? ロジカルミステリーのファンタジスタが贈る、血湧き肉躍る超絶の冒険譚!

初出は別冊文藝春秋。連載されていたものが単行本になりました。連載時のタイトル用イラストレーションも本文用の挿絵として掲載されています。単行本にするにあたってカバー用のイラストレーションを新たに制作しました。
今回は簡単な制作過程(How to draw) をご紹介します。
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最初の打ち合わせで編集の佐藤さんとデザイナーの関口さんが要望したのは表面から裏面にかけてイメージが交錯するパノラマ的なイラストレーションをということでした。後はおまかせということでサムネール(アイデアラフ)2案を提出しました。
A案が選ばれ、そこから構図をブラッシュアップしたラフをおこして、その過程でバーコードの位置などの制約により構図を若干手直しして、フィニッシュ作業に入ります。
えんぴつで最終的な構図の下書きを描いて、その下書きからスクラッチボードにトレースダウン(転写)します。後はただひたすらスクラッチ作業です。この作業時はまったく頭を使わないので、この時に音楽をよく聞きます。頭が真っ白になる至福の時間です(笑)。
原画が完成すると、これをスキャニングしてフォトショップでCMYKに変換して彩色します。データーの彩色はなんでもできてしまいますが、あえて色数を限定させてスクラッチイラストレーションの特性を生かす彩色を心がけています。今回は彩色案、2案を提出し最終的に下のイラストレーションが採用されました。
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Illustration Iso Ryoichi 2011






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by goat-hill | 2011-09-19 20:49 |

TVJ

d0154663_20152264.jpg25階建ての威容を誇るお台場のツインタワー「ニュー・ミレニアム・ビル」に拠を構える民放・テレビジャパンが、銃火器で武装した集団にジャックされた。人質となった局員の命をかけて、警察と犯人の緊迫した交渉が続く中、経理部員の高井由紀子は偶然の巡り合わせから、一人だけ犯人による拘束を免れる。30歳の大台を前に、切望していた華燭の典の目処が立ったばかりの由紀子だったが、肝心の婚約者は人質の中に―。愛する婚約者を奪還せんと、ヒロインの「ダイ・ハード」ばりの活躍が始まる。

『交渉人』『ロケットボーイズ』『パパとムスメの七日間』等でお馴染みの五十嵐貴久さん2005年作品。
この本は造本設計がユニークな造りになっています。
概ね日本の単行本はPOPを兼ねた帯が本の三分の一を占めていますが、この本は帯が本の八割を占めています。(カバーが二枚あるようなものです)
帯をとることによって物語を象徴するシュチエーション、2パターンを楽しむことが出来るデザインになっています。

『TVJ]』五十嵐貴久 装画 磯良一 装丁 関口伸介 題字 比佐一石 文藝春秋
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by goat-hill | 2011-07-23 20:49 |
d0154663_202428.jpgJadge not a book by its cover!

表紙で書物を判断するな!


・・・・・・The stairs go on forever


Illustration Iso Ryoichi
[book series 1]
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d0154663_2059724.jpg日本で唯一のマネジメント誌「ハーバード・ビジネス・レヴュー」日本版オリジナル企画。

今月号のテーマは『日本軍 [戦略なき組織] 検証 失敗の本質』です。
かつての日本軍の敗北をなぞり、「失敗の本質」を分析、論証していくという特集です。

表紙と、菊澤研宗氏の『戦艦大和特攻作戦で再現する~合理的に失敗する組織』のテキスト用にイラストレーションを描きました。
菊澤氏は山本七平氏の空気論に挑戦し、新たに取引コスト理論を用いて、空気による意思決定を分析しています。
そして、この空気による意思決定が失敗の本質であることを論証しています。
旧日本海軍の失敗の本質は、組織全体の「空気」による非合理な意思決定プロセスにあるとのことで、このような日本型組織では各構成員が、取引コストを計算し合理的計算のもと全員一致で「空気」を読み取り、「合理的に」非効率で戦略的合理性に合致しない意思決定をしていくのだそうです。 結局のところヴィジョンをもった意思決定ではなく、その場の空気と、ひくにひけない状態での、つじつま合わせによる意思決定というところでしょうか。今現在の組織にもよく見られる光景ではないかと思います。
また大和型戦艦の二番艦である武蔵の誕生と終焉を描いた吉村昭氏の『戦艦武蔵』は人間と戦争の本質を深く考えさせられる作品で、この問題を考える上でおすすめの著書です。
目次 ●戦場のリーダーシップ 野中郁次郎 ●危機に積極策を取る指揮官 山内昌之 ●プロフェショナリズムの暴走 戸部良一 ●合理的に失敗する組織 菊澤研宗 ●情報敗戦 杉之尾宣生 ●航空決戦と「航空機産業」の崩壊 新治毅
Illustration Iso Ryoichi
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by goat-hill | 2010-12-26 21:25 | 雑誌